北浦、朝ライドの心得

北浦のジョン

 北浦サイクリングコースの左岸側の最終部、ちょうど電車の橋桁下は10m程度のチョコレートブロックが敷き詰められている。普段でもここを通るときには非常に気を遣う。道の真ん中をとおっていくと、ブロックとブロックの間を通らなければならず、少しでもハンドル操作を誤るとチョコレー度ブロックに乗り上げることになるし、端を通ると、斜面に落ちる可能性がある。
いずれにせよここを通るときには細心の注意が必要で、僕は常に若干幅の広い左端を通ることにしている。
 
 今週は月曜日から木曜日まで、A.M.5:00には鹿島神宮を出発し、鹿行大橋ふもと近くまで走る50Kmコースを走った。この時期5:00はまだ真っ暗で星がでていることもあった。


 約2時間のライドで、北浦左岸に帰ってくる頃は、ちょうど皆さんが朝の散歩に出かける時間帯に重なり、ジョギング、ウォーキング、犬の散歩を行う方々とすれ違ったりする。おそらく朝の自由な時間帯で、ずっと縛られている犬を少しの時間開放してあげようという飼い主の優しい気持ちからなのだろうが、北浦を犬の散歩している方々には、放し飼いで散歩される方々が多い。

 散歩する人間はサイクルジャージにヘルメット、変な形の自転車を見ても興奮しないが、犬の中には闘争心が生まれるものが多く、自転車で道を通るだけで吼えられたりする。このような中で放し飼いの犬は最も危険な相手となり、この戦いは状況に応じて非常に難しい。


まず、犬が好戦的か友好的かを見極める必要がある。

  • 犬が道上にいる場合、犬の目を見る。犬が明らかにこちらに気づいているのに、体制をかえずに歩いている場合、この犬はサイクリストに興味のない友好的な犬と見られる。友好的な犬の場合、距離をとりすり抜けることができるだろう。
  • 道上にいる犬の目がこちらに釘付けになる場合、この犬は好戦的な犬だ。たとえば、好戦的な犬が、道上にない地点でバイクに気づいたとき、犬がバイクの動きを捕らえて走るタイミングでスプリントをかければ、数十メートルで彼らはあきらめることになる。
  • 最も危険なパターンが、犬が道上におり、こちらに目が釘付けで、さらに今まさに動き出そうとしている状況だ。このときには、犬がどちらに向かうか・・・最初の一歩にあわせてどういうラインで抜けるかを瞬時に判断しなければならない。ほとんどの犬は、目が合った後、こちらの動きをよみ、彼らの前を過ぎるまで待機するため、脇をすり抜けることはできる。脇を抜けることさえできれば、後は踏み込めば犬をまくことは可能である。犬は数メートルから数十メートルでターゲットが追跡可能でないと判断するとあきらめる傾向がある。

・・・しかしこれはあくまでも一般的な犬の話である。


北浦には「ジョン」がいる!

 北浦のジョン・・・かつて塾長、キャプテンを恐れさせた強敵だ。「ジョンがいるから朝は北浦に出られない」とまで言わしめた犬である。

 この犬は、目が合った後、しばらく距離をつめるまで待機するかと思いきや、バイクの通過を待たずに向かってくるのである。このため、トレインで走っている場合、非常に危険で、先頭ロックオンで向かってくるが、あるときに先頭をロックオンから外した後、体を急に展開し、後ろを走るバイクにリロックオンしたりするのである。

 この技により塾長は過去に、ジョンに乗り上げそうになり、キャプテンも引っ掛けそうになった。


 今週の朝ライドでは一日だけ普段より遅く出た日があった。

 日もタイミングも悪かったが、果たしていたのである。あの「class="deco" style="font-weight:bold;font-size:x-large;">北浦のジョン」が!

 しかも、遭遇したのが、最もスピードを落さざるを得ないチョコレートブロックポイントである。

 数十メートル先から人がいることは分かった。近づくにつれて、犬を連れていることがわかり・・・その犬がつながれていないことがわかり・・・チョコレートブロック地帯の真ん中におり・・・ジョンであることがわかる。


 一本道であるサイクリングロードで、この地点まで来ると引き返すこともできない・・・仮に機転をきかせて反転できても、奴は確実に追ってくる。奴はジョンだ!

 覚悟を決めた!瞬時の判断だ!飼い主のおばちゃんはいつものごとくわけのわからないことをほざいている・・・「大丈夫だから・・・大丈夫だからね・・・ほらジョン・・・」

・・・何を言っている?なにが大丈夫だ・・・チョコレートブロック地帯に数メートル踏み入れるとジョンはすでに臨戦態勢ではないか!!

 「こらっジョン!ダメッ!!」

そんな生半可な提言がジョンに効くか!!!

ジョンは臨戦態勢からこちらに向かってくる。

 スピードはせいぜい12〜3キロでエントリしているだろう。ジョンはこちらに向かってきつつ、タイヤを交し、脚が目の前に来るところまでペースにあわせて来た。


Wooowowww!! Woooww!!

 ジョンは僕の足に食らいつこうとしている。ジョンがサイドについたのを確認し、スピードを上げようとするが、ここはチョコレートブロック地帯の真っ只中・・・まだ抜けるには10mほどある。何度か靴に奴の口が当たるのを感じる。だめだ咬まれる!クリートでロックされている足で犬を蹴ることはできない・・・できるのはペダルを踏み込むことだけだ・・・とにかく、チョコレートブロックを過ぎるまで・・・この間は立ち上がることもできず、強く踏み込むこともできない・・・チョコレートブロックを過ぎるまで・・・!

最後の数メートル、無理やり右側にコースを取り、ジョンをけん制した。ジョンが一瞬ひるんで離れたのをチャンスとし、ブロック最後のへこみ部を平らな部分を通ることに成功、それと同時にケイデンスを上げる・・・。

そのタイミングで一瞬ジョンが視界から消えた・・・撒いたか?・・・否・・・さっきまで右側からアタックしていたジョンは後ろを廻り左にいた!!!


このぉやろぉ〜!!!!!とさかにキタゼ!!!!!

ケイデンスを110まで上げた後、立つ!!

瞬時にジョンの顔は後方に流れる・・・後方からはいつものおばちゃんの「ジョォ〜ン!ジョォ〜ン!」が響いていた。

・・・「ジョォ〜ン」じゃねぇよ!!

とはいえ、おそらくこの日一番の心拍上昇、および久しぶりのスプリントだったのでは・・・。

犬しばらくフリーランさせてあげたい気持ちは分かりますが、サイクリングロード、堤防の道でも公共の場所です。犬が怪我をしても怪我をさせてもかわいそうです。散歩の際にはきちんとリードをつけてください!とお願いしたいです。

特に・・・「ジョン」の飼い主のおばさん!!

僕らは何度もあなたの「ジョン」に驚かされています。ジョンは決して遊び相手でわれわれを追っかけているわけではありませんのでくれぐれも「あれあれ〜慣れてきたネェ〜」なんて言葉でごまかさないでください!!!